【株式会社リコー】My Oracle Supportの活用で“プロアクティブ”なシステム保守を実現


My Oracle Supportの活用で“プロアクティブ”なシステム保守を実現
~Oracle Configuration Managerで障害復旧の初動を迅速化、障害内容の確認工数も50%削減~

株式会社リコー(以下、リコー)の本社ITインフラ部門では、問題の未然防止、自己解決力の強化、障害対応の迅速化を目的として、「Get Proactive !」の活用を開始。その一環として、My Oracle Supportの「Oracle Configuration Manager」を多くの主要プロジェクトで導入したところ、問題発生時の初動が強化され、オラクルサポートとのやり取り回数が従来の50%以下になるなど、運用レベルが向上。今後は、システムのリプレースを機にOracleデータベース導入システムすべてに適用させる予定だ。無償ツール(SQLTなど)も積極的に活用してSQL実行時のパフォーマンスも改善、業務バリューの向上も図っている。

株式会社リコー
IT/S本部
ITインフラ統合センター
システムインフラグループ
スペシャリスト
西尾 久利

株式会社リコー
IT/S本部
ITインフラ統合センター
システムインフラグループ
スペシャリスト
藤原 稔

サーバー統合とコスト削減を推進するIT部門

 プリンタやデジタル複合機などのオフィス機器や、ITソリューションを展開する大手メーカーとして知られるリコー。東京・品川に構えられた同社のシステムセンターは、リコー本社を含むグループ企業全体のIT部門の中心地である。リコー本体、およびグループ各社の基幹系システムのインフラを担当するのが、同社 IT/S本部 ITインフラ統合センター システムインフラグループだ。同グループが管理対象とするシステムは、販売管理や経理、生産、人事など幅広く、1,000台以上のサーバー(論理サーバー)、および基盤となるネットワークなどの設計、構築、保守運用を、社員16人と、実際の運用部隊であるリコーITソリューションズ株式会社の約30人という、少数精鋭のチームでおこなっている。

 「近年、仮想化による統合やサーバー集約の効果で、物理的な管理台数の削減は進みました。しかし業務量は膨大で、1,000台以上ある論理サーバー数が減少することはほとんどありません」と、IT/S本部 ITインフラ統合センター システムインフラグループ スペシャリストの西尾 久利氏は、現状のシステムの全容をそう説明する。

 「グループ内に分散しているシステムには、機能や作業内容が重複しているものも多数あります。これらを統合し、トータルコストを削減することもミッションの1つです」。

 同社の基幹システムは5年ごとにリプレースされ、長期計画に基づいて運用されている。2013年はそのリプレースの年にあたり、5月現在、年末のリプレース完了に向けてプロジェクトが進行中とのことだ。

保守運用の効率性向上と障害対応の迅速化が課題

 社内ITシステムの“土台”であるインフラを預かる西尾氏のチームでは、かねてから保守運用の効率性向上が課題となっていた。チームメンバーはそれぞれ担当システムの運用業務にあたっているが、問題発生時にオラクルサポートの効率的な利用を図り、メンバーの生産性を高める必要があった。

 「個々人のスキルや経験に依存した障害対応力や復旧スピードを平準化したいと考えていました。これまでは『問合せの際かならず聞かれる項目』などを整理したり、社内で統一したフォーマットを用いるようにしていました。これにより、OSやバージョン情報確認などの二度手間を省くことはできましたが、初動対応の迅速化という点では限界がありました」(西尾氏)。

 同社 IT/S本部 ITインフラ統合センターシステムインフラグループ スペシャリストの藤原 稔氏は、「監視ツールだけでは、データベースの障害状態をすべて把握するのは困難です。パフォーマンスが変化するとアプリケーション担当チームから問合せが来ますが、SQLの遅延状況などの調査や問題箇所の特定、それらの解決に時間がかかっていました」と話す。

「社外に出しても問題ないデータ」だと判断し導入

 両氏がOracle Configuration Managerを知ったのは2009年。オラクルからの提案だった。「サポートとの初期のやり取りの手間を省ければ、問題発生時の事後対応を迅速化できると感じ、使ってみることにしました」(西尾氏)。

 導入に際し、情報がオラクル側へ送信されることについての懸念はとくになかったと西尾氏はいう。「当社はISMSに長年にわたって取り組んでおり、個人情報や機密資料など『社外に出してはいけないデータの種別』は厳密に定義、明文化されていました。Oracle Configuration Managerが扱うデータは構成情報やOracleデータベースのパラメータなどで、『社外に出してはいけないデータ』には該当しません。通信がSSLで暗号化されている点も安心でした」。

 西尾氏はチーム内で使用の普及に向けた啓蒙活動をおこなった。本番環境の多くは安定的に稼動しているため、あわてて入れることはせず、システム更改の時期にインストールする方法を採用。当初インストール済み環境は1~2台だったが、4年間で約60の環境で利用するまでに至った。

 「チーム内で横展開しました。2013年はリプレースの年のため、Oracleデータベースを搭載する約100の環境すべてに実装する予定です」(西尾氏)。

 Oracle Configuration Managerの導入作業はシンプルなため、一度覚えてしまえば1時間程度で20環境に導入することも可能だ。「情報送信は自動接続モードを選択しました。作業後の運用に手間が増えることもありません」(同氏)。

初動のやり取りをゼロに 問題解決も迅速化

 Oracle Configuration Managerの提供を含む「Get Proactive !」は、Oracle Premier Supportを契約しているユーザーは無償で受けることができ、プロアクティブ・リアクティブ・アップグレードの3分野でオラクルのベストプラクティスを得られる包括的なサポートサービスだ。

 リコーではOracle Configuration Managerの活用のほか、遅延したSQLを改善するための「SQLT」の各種機能や「パッチ計画」の利用、運用コストの最適化のため「ヘルスチェック」の実施などもおこなっている。

 SQLTは遅延SQLを特定した際に、実行計画だけでなく、関連情報を取得できる。「パフォーマンス悪化の原因追究と初動対応が迅速になった結果、アプリケーションのチームからのSQL遅延の問合せにすぐに対応できるなど、生産性が上がりました。加えて、今後のパフォーマンス改善のポイントも発見でき、業務バリューの向上にも役立っています」(藤原氏)。

 また、西尾氏はパッチ計画機能について、「会計システムで『パッチ競合の調査』機能を利用したところ、きわめて利便性が高いと感じました。競合するパッチを自動的に判別するため、すぐに次の手段を取ることができるなど、迅速な対応が可能になります。導入効果はとても高いと実感しています」と話す。今後はアップグレード時にパッチで取り込んでいる修正が、上位バージョンに含まれるかどうかのチェックなどに活用していきたいとのことだ。

 ヘルスチェックでは運用の健全性を確認できるため、チーム内で運用業務が適切に遂行されているかどうかの確認に役立つだろうと西尾氏は期待している。

 「データベースやインフラ管理者は、とにかく日常業務で忙殺されやすい。プロアクティブなサポートを活用することで初動の作業はゼロになり、その後も正確で迅速な初動対応ができるようになるほか、無駄な問合せ作業が減り、自己解決もしやすくなります。当社での実際のケースでも、問題解決のためのやり取り回数は半分以下になりました。将来的にはインフラチームが積極的に改善策を提案するなど、“攻めの姿勢”での管理に転換できそうです」(西尾氏)。

P R O F I L E

株式会社リコー
業  種:製造業
従業員数:10万7,431人(連結/2013年3月31日現在)
資本金:1,353億円(2013年3月31日現在)
売上高:1兆9,244億円(連結/2013年3月期)
おもな事業内容:デジタル複合機(MFP)やプリンタなど、オフィス向けの画像機器の製造販売、各種の関連ソフトウェアや消耗品、ITシステムやネットワーク環境の構築・運用支援など。

(本事例の内容は2013年4月のものです)

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