金融業を支えるプライベート・データベース・クラウド~Oracle Enterprise Manager 12cを最大限に活用し、コスト削減と新たなビジネスの展開を進めるHDFC銀行~


金融業を支えるプライベート・データベース・クラウド
~Oracle Enterprise Manager 12cを最大限に活用し、コスト削減と新たなビジネスの展開を進めるHDFC銀行~

 1994年に設立されたインドのHDFC銀行(以下、HDFC)は、国内1,568の市と町に、2,776の支店とATM 1万490台のネットワークを擁し*1、52四半期連続で前年同期比30%以上の増益を達成している大手民間銀行だ。

 金融サービス市場での競争力を維持しながら急成長を続けるためには、たゆまぬイノベーションによって新しい金融商品を投入し続けなければならない。事業規模が大きいリテールバンキング(小口金融)部門ではとくにそうだ。そのため同行のIT部門は、既存システムのメンテナンスと新システムの開発の両立を求められている。

 こうした状況を背景に、HDFCはOracleデータベースとOracle Enterprise Manager 12cを基盤にしたプライベート・データベース・クラウドサービスを開発した。「統合を進め、セルフサービスITや標準化、迅速なプロビジョニングをサポートできる環境を構築したいと考えました」と、同行のIT担当アシスタント・バイスプレジデント、ニランジェイ・バッタチャージー氏は説明する。「そして選んだアプローチが、OracleデータベースとOracle Enterprise Manager 12cを使って、プライベート・データベース・クラウドを構築し、リテール融資システムをサポートすることでした」。

「オラクルのテクノロジーによるプライベート・データベース・クラウドでは、
新しいアプリケーションのプロビジョニングをセルフサービスでできるようになっています。
このため、多額の費用を節約することができています」

HDFC銀行
IT担当アシスタント・バイスプレジデント
ニランジェイ・バッタチャージー氏
「オラクルの開発チームの協力を得てOracle Exadata上にプライベートクラウドをデプロイしたことで、HDFCのデータベースインフラでは、最新の情報をもとに新しいデータベースを簡単にプロビジョニングできる柔軟性が確保されました」と、HDFC銀行のIT担当アシスタント・バイスプレジデント、ニランジェイ・バッタチャージー氏は話す。

顧客の声に耳を傾ける

 HDFCは2011年にプライベートクラウドの選択肢を評価し始めた。「われわれはオラクルが提供するインフラに投資してきましたが、それをさらに強化したかったのです」とバッタチャージー氏。「社内顧客と経営陣からのフィードバックを受けたあと、何を求めているかを尋ねました。その答えが、『フレキシブルなクラウド型データベース』でした」。

 そこで同行は、Oracleデータベースをサービスとしてデプロイ*2し、エンタープライズ・ライセンス契約でカバーされるOracle Database Lifecycle Management Packも実装した。「このクラウド管理パックによって当行のデータベースインフラでは、簡単にプロビジョニングができる柔軟性が確保されました。そしてオラクルの支援のもと、これをプライベートクラウドにデプロイしました」(バッタチャージー氏)。

 HDFCはOracle Exadata上にプライベートクラウドをデプロイし、オラクルの開発チームの協力を得て、ユーザーが最新のデータベース情報をもとに新しいデータベースを簡単にプロビジョニングできるようにシステムを構成した。現在同行は、Oracle Exadataハードウェア上でデータベース・バックアップをおこなっており、ユーザーが新しいデータベースを要求すると、常に最新のバックアップのコピーとしてデータベースがプロビジョニングされる。そのプロセスは、バックグラウンドで実行されるようになっている。「こうしてデータベース・プロビジョニングの完全な自動化が実現されています」とバッタチャージー氏。「このインフラはデータベースのリストアにも利用できます」。

 オラクルのテクノロジーに基づくプライベートクラウドによって、HDFCは現在、3日間もかかっていたデータベースのリストアを、わずか3時間半でおこなえるようになった。また、サービスとしてのデータベースの実装であるこのクラウドにより、ITチームは多くの手作業を省くことに成功している。さらに、プライベート・データベース・クラウドの管理を維持し、リストアとプロビジョニングに関連する管理時間を減らすことで、金融商品向けの新機能を迅速に提供するための活動に集中できている。

セルフサービス化に舵を切る

 プライベートクラウドは、時間の節約とビジネスへの集中を可能にするだけでなく、一部のITコスト管理の在り方を根本的に変えるものだ。

 「これまでIT部門は、間接業務部門からの要求への対応に多くの時間を費やしてきました。そのための時間コストと人件費は膨大です」と、オラクル・コーポレーションの製品管理担当副社長、サディプ・ダッタは話す。「このことを踏まえ、Oracle Enterprise Manager 12cには完全自動化機能を搭載し、顧客がアプリケーションを標準プラットフォームに統合してそのプラットフォームを管理し、そこでセルフサービス・プロビジョニングとチャージバックを実現できるようにしています」。

 HDFCのバッタチャージー氏は、こうした機能がコスト削減につながっているという。「オラクルのテクノロジーによるプライベート・データベース・クラウドでは、新しいアプリケーションのプロビジョニングをセルフサービスでできるようになっています。このため、多額の費用を節約することができています」(同氏)。

セキュリティ対策にも力

 HDFCのITシステムでは金融情報を扱うことから、顧客を保護するため、厳しいセキュリティ基準が設けられている。「プライベート・クラウド・プラットフォームを構築した際、われわれはすべての顧客データの安全性を確保しなければなりませんでした」と、バッタチャージー氏は説明する。「アプリケーション・チームのデータアクセスも制限しています。機密データの流出を防ぐためです」。同行は、膨大な時間をかけてアプリケーション・チームが従うべき作業標準を整備してきたとバッタチャージー氏は語る。それが功を奏し、新しいアプリケーションのセットアップは、ほんのわずかな時間で完了するようになっているという。

 バッタチャージー氏は、オラクルのテクノロジーに基づくHDFCのプライベート・データベース・クラウドが、今後も大きな威力を発揮すると期待している。「業績の成長を継続していくために必要なハードウェアとソフトウェアのすべてを手に入れています。オラクル製品(Oracle データベースとOracle Enterprise Manager 12c)は、われわれのニーズにまさにぴったりなのです」。

*1 2012年12月31日時点
*2 「配置する」の意。ソフトウェアを実行環境に配置すること

Oracle Enterprise Manager 12cによるクラウド管理

 米国国立標準技術研究所(NIST)は、クラウド・コンピューティングをこう定義している。「クラウド・コンピューティングとは、構成可能なコンピューティング・リソース(ネットワーク、サーバー、ストレージ、アプリケーション、サービスなど)の共有プールを、ネットワーク上でどこからでも手軽にオンデマンドで利用できるモデルである。管理上の負担やサービスプロバイダーによる作業を最小限に抑えたうえで、これらのリソースを迅速に確保し、公開できるようになる」。

 2011年にリリースされたOracle Enterprise Manager 12cは、クラウドリソースの管理に重点が置かれている。シンプル、自動化、ビジネス主導を目指して設計されており、ロールベースのモニタリングと管理、セルフサービス・リソース管理、ポリシーベース・リソース管理、アプリケーションからディスクに至るクラウドスタックの管理、ビジネス・トランザクション管理、メータリングとチャージバック、チャージバック・レポーティングなどを実現する。

 アプリケーションからディスクに至るまでサポートするOracle Enterprise Manager 12cにより、管理者はセル、コンピュータノード、スイッチの概要を包括的にレビューし、ハードウェア・コンポーネントのアラートを受け取ることができる。ユーザーも、データベース、サービス、クラスタごとにパフォーマンス、可用性、使用状況の分析を実行して結果を見ることができるほか、ソフトウェアのアラートを受け取ることもできる。

SNAPSHOTS

HDFC銀行
hdfcbank.com

本  社:インド ムンバイ
業  種:リテール、およびコーポレート・バンキング
従業員数:5万6,000人
オラクルの製品とサービス:Oracle Enterprise Manager 12c、Oracle Exadata Database Machine、Sun ZFS Storage 7420アプライアンス

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