【株式会社VOYAGE GROUP】メディアミックス・キャンペーンに備えて 400万会員のデータベース性能をわずか2カ月で向上

【事例】


メディアミックス・キャンペーンに備えて 400万会員のデータベース性能をわずか2カ月で向上

ポイントサイト「ECナビ」などを運営するIT企業である株式会社VOYAGE GROUP(以下、VOYAGE GROUP)は、約400万人の会員データベースとポイントデータベースとしてOracleデータベースを使用している。2012年、会員増に伴う入出力性能の低下を回避するための対策として、エンジニアド・システムズのOracle Database Appliance V1を導入。2014年夏には新規会員獲得キャンペーンをおこなうにあたり、トラフィックの急増に備えるためのシステム拡張を実施。わずか2カ月という短期間で最新のOracle Database Appliance X4-2(以下、ODA X4-2)へのリプレースに成功した。

株式会社VOYAGE GROUP
システム本部
加藤 謙一

株式会社VOYAGE GROUP
ECナビ事業本部
エンジニア
駒崎 大輔

重要なデータ管理はOracleデータベース Oracle Database Appliance V1導入で性能確保

 VOYAGE GROUPは、ポイントサイト「ECナビ」やポイント交換サイト「PeX」などのオンラインメディアを手がけるIT企業である。その前身が設立されたのは1999年。多くのIT企業と同様にVOYAGE GROUPも、業務システムのほとんどをオープンソースの組み合わせで構築している。Web系ビジネスでは処理量の急増がしばしば起こるため、予測に基づいて大型システムを用意しておくより、低コストの小型システムをその都度増設するスケールアウト戦略のほうが適しているからだ。

 それでもサービス稼動当初から、会員データベースとポイントデータベースには、高い可用性と安定性に実績のあるOracleデータベースを使用してきた。ECナビの場合、もっとも重要なデータとなるのは、約400万人の会員情報を保管する「会員管理データベース」と、その会員が保持しているポイントを記録する「ポイントデータベース」の2つだ。「この2つのデータベースについては、高いパフォーマンスと安定性を確保するために、以前からOracleデータベースを使用してきました」と株式会社VOYAGE GROUP システム本部加藤 謙一氏は説明する。

 この会員管理データベースとポイントデータベースを稼動させるための基盤として、当初はサーバーとストレージが使われていた。しかし、会員数の増加にともない入出力性能の低下が顕在化。2012年にはオラクルのエンジニアド・システムズのOracle Database Appliance V1へと移し替えられた。

新規会員獲得キャンペーンまでわずか2カ月 期間最優先で入出力性能の向上を検討

 しかし、Oracle Database Appliance V1導入後も入出力性能の低下に対する監視は欠かせなかった。サービスの仕様ゆえに、ECナビでは短時間に大量の読み込みアクセスが発生しやすかったのである。

 「ECナビには、毎日1回ポイントを獲得できるコンテンツがあります」と説明するのは、この業務システムの設計・開発・運用を担当する、同社 ECナビ事業本部 エンジニアの駒崎大輔氏だ。いち早くポイントを獲得しようとする会員からのアクセスが集中する午前0時からの数時間は、平常時よりもトラフィックが倍増する。

 ポイントを付与するかどうかを判断するためにも、データベースの大量読み込みが必要だった。「ECナビでは、ポイントの種類ごとにその会員が過去どのようなアクションをしたかに基づいてポイントを付与するかどうかを決めています」と加藤氏は語る。会員の行動履歴を調べるための日付指定範囲検索によって、大量の読み込みアクセスが発生してしまうのである。

 さらに2014年5月には、ECナビの業務システムへの負荷が増えることが予想される事業計画が明らかになった。新規会員獲得のためのメディアミックス・キャンペーンが7月に始まることになったのである。予想されるトラフィック増に対処するための期間は、わずか2カ月。「業務システムの見直しやチューニングの時間は、とてもとれそうにありませんでした。そこで、ソフトウェアは変更せず、ハードウェアを大きくすることで対処することにしました」と加藤氏は振り返る。

エンジニアド・システムズのメリットを活用 最新版へのリプレースで短期間での拡張を実現

 ハードウェアの増強・拡張にはさまざまな方法がある。そのなかからVOYAGE GROUPが選んだのは、2年前に導入したばかりのOracle Database Appliance V1を、最新のOracle Database Appliance X4-2へとリプレースすることだった。

 理由はいくつかある。まず、入出力性能を高めることが目標だったので、CPU/コアの追加やメモリ増設による改善効果はほとんど期待できなかった。理屈のうえでは増設したメモリをキャッシュとして活用することも考えられたが、「最新のポイント値をリアルタイムで照会するソフトウェア仕様になっている」(駒崎氏)という業務システムの特性から採用には至らなかった。

 現実的なのは、ハードディスクドライブ(HDD)の増設による入出力性能の向上である。しかし、VOYAGE GROUPが使っていたOracle Database Appliance V1にはすでに上限までHDDが装着されていたので、HDDの数を増やすには、より大型のデータベース・アプライアンス製品にリプレースするか、サーバー+ストレージという以前の形態に戻すかを選ぶしかなかった。「サーバーとストレージの機種を選定し、“手組み”での構築を2カ月で済ませるのは、到底現実的ではありませんでした」と加藤氏はいう。そこで、ストレージ拡張オプションを外付けできる最新のOracle DatabaseAppliance X4-2が、同社にとって最良の選択という結論になったのである。

 早速発注したストレージ拡張オプション付きのOracleDatabase Appliance X4-2がVOYAGE GROUPのデータセンターに搬入されたのは、2014年6月。システム構築と移行作業はほぼ1カ月で完了し、7月上旬から実際の業務で稼動が開始された。

 これだけ短期間でのデータベース移行が実現した要因として加藤氏と駒崎氏が挙げるのは、新旧のOracle DatabaseApplianceでOracleデータベースのバージョンがほとんど同じだったこと、Export/ImportではなくRMANによるバックアップ/リストアでデータを載せ替えたことなどだ。

移行によってIOPSが約60%向上 新機能の追加開発も容易に

 リプレースによる効果を加藤氏は次のように語る。「OracleDatabase Appliance X4-2では、入出力性能の指標の1つであるIOPS(Input/Output Per Second)がOracleDatabase Appliance V1に比べて約60%向上しています」。新規会員獲得キャンペーンに伴うアクセス増を難なく乗り切れたことで、ビジネスにも貢献できた。定性的な効果として駒崎氏が挙げるのは、データベースの性能を気にすることなく、業務システムに新機能を追加できるようになったことだ。本稼動開始後のトラブルも皆無で、VOYAGE GROUPはリプレースの成果に十二分に満足している。

 さらに、同時に導入したOracle Diagnostic Packによって、データベースの稼動状況が把握しやすくなった。「データベース管理者だけでなく開発者からも稼動状況をチェックできるようになりました」と駒崎氏。データベースの状態を事前に調べておけば、業務システムに新機能を追加する際も誤った設計を回避できるわけだ。

 オープンソースで業務システムを構築しているからこそ、性能と安定性が求められる部分には信頼できる製品を使いたい――。環境変化への対応におけるスピード感が重視されるWeb系企業でも、わずかな期間で導入・構築でき、価格性能比が高いOracle Database Applianceは魅力的なソリューションとなっている。

P R O F I L E

株式会社VOYAGE GROUP
業  種:情報・通信業
従業員数:340名(2014年6月末)
資本金:9億2,462万円
売上高:約150億4,600万円(第16期:2014年9月末)
おもな事業内容:メディア事業とアドテクノロジー事業を主力事業とする事業開発会社。メディア事業の中核として、会員数400万人を超えるポイントサイト「ECナビ」を運営中。ネットショッピング、アンケート、会員登録、ミニゲームなどで貯めたポイントを現金・電子マネー・ギフト券などと交換できるサービスが人気を集めている。このほか、約170万人のアンケートモニターを集めた「リサーチパネル」、ポイント交換サイト「PeX」などのメディア運営やスマートフォンアプリの企画・開発などもおこなう。

本事例の内容は2014年11月のものです

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