異次元のパフォーマンス

New SPARC microprocessors power the world's fastest database, Java, and middleware servers.
世界最速のデータベース、Java、ミドルウェア・サーバーを実現する新SPARCマイクロプロセッサ登場

 オラクルは3月26日、米国カリフォルニア州レッドウッドショアズでイベントを開催。次世代のSPARCマイクロプロセッサのSPARC T5、SPARC M5と、それら新チップを搭載するシステム製品を発表した。オラクル・コーポレーション CEO、ラリー・エリソンは、SPARC T5を「世界最速のマイクロプロセッサ」と紹介。あわせて同チップを搭載する新しいシステムが17の世界記録*1を樹立したことも報告した。

2013年3月26日、オラクル・コーポレーション本社に参集したオラクルのユーザー、業界アナリスト、技術系メディアの記者を前に、SPARC T5、SPARC M5のリリース発表がおこなわれた。

 とくにSPARC T5-8サーバーは、ベンチマーク指標のTPC-C*2でのテストで1分間に800万件以上のトランザクション処理性能を記録。オラクル・コーポレーションのシステム担当エグゼクティブ・バイスプレジデント、ジョン・ファウラーは聴衆を前に、「比類なきコストパフォーマンスと驚くべき高性能を実現しました。オラクルにとって、きわめて大きな一歩です」と語った。

 新しいSPARC T5サーバーは、ミッドレンジをカバーするサーバー製品。高性能、高密度を誇り、組込み型の仮想化機能と高い拡張性を備えている。ミッションクリティカル、かつ大規模なアプリケーションの運用を想定した高効率を可能にする設計で、Web、データベース、アプリケーションをコンポーネントとする多層エンタープライズ・アプリケーションでの利用に最適だ。

 「(SPARC T5-8サーバーは)それほど大型のサーバーではありませんが、業界標準のベンチマークテストを実施したところ、Oracleデータベースのサーバーとして史上最速を記録しました。Javaやミドルウェアのサーバーとしても世界最速です」とエリソンは話す。


世界最速マイクロプロセッサSPARC T5と、SPARC T5を搭載したシステムを紹介するオラクル・コーポレーションCEOのラリー・エリソン。

 SPARC T5サーバーの高い性能は、処理速度を極限まで高めたSPARC T5マイクロプロセッサに支えられている。「皆さんを驚かせてしまうかもしれませんが、SPARC T5サーバーの整数演算性能はIBM Power Systemsシリーズをしのぐのです」とエリソン。「マイクロプロセッサ単体でも、IBM PowerよりもSPARC T5マイクロプロセッサのほうが優れています」。

SPARC M5チップとサーバー

 エリソンとファウラーは、大幅な性能向上を果たしたハイエンドのSPARC M5-32サーバーも紹介した。3.6GHz、6コアの新しいSPARC M5プロセッサを採用し、従来のSPARC Enterprise M9000サーバーと比較して約10倍の性能アップを実現している。

 「SPARC M5-32サーバーをはじめとするSPARC M5シリーズで、ハイエンド・サーバーのコストに関する課題を解消したい」とファウラーは話す。「ユーザーが新しいタイプのアプリケーションや、より高いレベルの処理能力を利用できるように、ハイエンド・サーバーを強化したいと考えていました。ですが、導入コストまで高くなってしまっては意味がありません。目指したのは、性能面でもコスト面でも魅力的なエンタープライズ・プラットフォームです」。

 高い垂直拡張性を実現した最新サーバーは、規模や種類の異なるさまざまな処理の負荷に耐えうるリソースを備え、アプリケーションの展開や集約も容易だ。新しいアプリケーションを追加するたびにサーバーを追加する必要はなく、既存アプリケーションもサーバーの垂直拡張性を活かすことで処理能力に余裕をもたせた運用が可能になる。

 ダイナミックドメイン、Oracle VM Server for SPARC、Oracle Solarisゾーンなどの仮想化技術を利用すれば、ハイエンドのSPARC M5-32サーバーに多数のアプリケーションを集約し、サーバーの利用効率やビジネスの柔軟性を高めることもできる。

SPARC T5、SPARC M5の仕様

 SPARC T5プロセッサは、16個のS3コア、最大128スレッドの同時処理、128KBのコア別L2キャッシュ、8MBの共有L3キャッシュ、クロック周波数3.6GHzといった特徴を備える、28ナノメートルプロセスのマイクロプロセッサ。新しい高性能なディレクトリ・ベースのプロトコルも備えているため、SPARC T5サーバーは最大8ソケットまで拡張でき、メモリ・コヒーレンシ・リンクの維持に追加チップも不要だ。

 SPARC M5プロセッサは48MBのL3キャッシュを備えることで傑出したシングルスレッド処理性能を実現し、どのような処理にも対応が可能だ。8スレッド対応コアを6個搭載していることから、プロセッサ全体で同時に48のスレッドを処理できる。プロセッサあたり1TBのメモリをサポートしているため、SPARC M5-32サーバーはSPARC M5プロセッサは最大32個、つまり192のプロセッサ・コア、1,536スレッド、32TBのメインメモリまで拡張できる。そのすべてのリソースをOracle Solarisの単一インスタンスで使用することも、SPARC M5-32サーバーのパーティショニング技術を使って複数のインスタンスで使用することもできる。

ソフトウェアからシリコンへ

 エリソンによると、プロセッサやシステムの分野でオラクルがリーダーシップを維持、強化していくためには、パフォーマンスを毎年2倍に引き上げるとともに、ソフトウェアからハードウェアへの機能移行を促進する必要があるという。エリソンはこのプロセスを、「究極の最適化」と表現する。オラクルは今後、データベースやJavaのアクセラレータをチップに搭載していく計画だが、すでに暗号化機能はチップへの搭載を済ませている。SPARC T5プロセッサは一般的な一括暗号化処理の多くを高速におこなえるため、アプリケーション側での暗号化処理が不要になりパフォーマンスが向上している。

設計の新しいかたち

 ファウラーによると、これまでシステム設計はネットワークとストレージの接続やOSの開発に重点が置かれ、アプリケーションの設計はそうしたシステム設計とは独立していた。今回オラクルがいくつもの世界記録を樹立できたのは、データベース、Java、ミドルウェアの各チームが連携し、システム設計のあらゆる局面にかかわるようになったことも大きな要因となっている。ファウラーは、「それがオラクルのスタイルなのです。システムの設計段階から、各チームがマイクロベンチマークやシミュレーションを徹底的におこなっています」と話す。


オラクル・コーポレーション システム担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのジョン・ファウラーは、SPARC T5-8サーバーの性能について「驚くべきレベル」と紹介した。

 SPARC T5、SPARC M5を搭載した新しいシステムは、1世代前のシステムと比較して、性能が10倍に向上した。ミッドレンジやハイエンド向け製品として現在最高の選択肢であり、提供価値において他社の追随を許さないとファウラーは語る。

 「開発当初に目指していたのは、世界最速のデータベース・サーバー、世界最速のJavaサーバー、世界最速のミドルウェア・サーバーでした。しかし完成したのは、世界最速のプロセッサに加え、最高の性能とコストパフォーマンスで、膨大な種類のアプリケーションを運用できるシステムでした」とファウラーは話す。

*1 世界記録の詳細については、oracle.com/benchmarksとblogs.oracle.com/bestperfでご確認いただけます
*2 オラクルのSPARCサーバー・ベンチマークについては、bit.ly/YLfhayでご確認いただけます

Oracle Solarisとの接続

 「SPARC M5-32のような規模のサーバーを運用する場合、OSに相当なストレスがかかります」と、SPARCのリリースイベントでエリソンは話している。「OSとして使用されているOracle Solarisは、SPARCシステムで利用する数千単位のプロセッサ、数百TBのメモリ、大量のストレージアレイ、広帯域幅のネットワークを管理するように設計されています」。

 Oracle Solarisは、ソフトウェアに対する投資を保護するように設計されている。また、新しいシステムへの移行やOSのアップグレードをおこなっても、Oracle Solaris Binary Application Guaranteeによって既存アプリケーションとの互換性が確保されているため、そのまま運用を続けることができる。

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