Oracle Excellence Awardsは、オラクルのソリューションを活用してビジネス価値の向上に成功した顧客やパートナーを表彰するプログラム。9つあるカテゴリの1つ「CIO of the Year」には、その年に目覚ましい功績を挙げたCIO(最高情報責任者)が選出される。
 CIO of the Yearの選出では、オラクル製品やサービスを運用管理するなかでCIOが示したリーダーシップ、ビジョンや貢献を評価する。オラクルとプロフェッショナルな関係を構築し、オラクルの技術、サービス、方法論に対して洞察力に富んだ率直なフィードバックを提供している点も重要だ。
 今回、2014年度のOracle Excellence Award日本部門のCIO of the Yearを受賞したマツダ(株)ITソリューション本部 本部長 大澤佳史氏に話を聞く機会を得た。

IT領域でもZoom-Zoomカンパニーへ

マツダのIT投資は顧客第一主義

「オラクルこそがマツダのコモンイネーブラー(グローバル共通システム基盤)です。
弊社はいま大きく変わろうとしています」

マツダ株式会社 ITソリューション本部 本部長
大澤 佳史氏

 中堅自動車メーカーのマツダは大手との顧客争奪戦を絶えず強いられる厳しい立場にある。2008年のリーマンショック、そのあおりを受け経営権を握っていたフォードの株式売却と続き、同社は新たな課題に直面。しかし、数々の予期せぬ変化をグループ再編の好機と捉え、顧客との絆を末永く保つための新たなアプローチに積極投資している。

 2012年早々、変化の激しい自動車業界で生き残り、成長を遂げるための構造改革プランを発表した。このプランに沿ってメキシコとタイに工場を新設し、多数の新興国に販売ネットワークを拡張し、海外展開の強化に成功した。その結果、2014年には創業94年以来最高の営業利益を計上した。

 マツダは現在、オラクルの新しいグローバルITインフラストラクチャを活用しつつ、会社と顧客間のみならず、顧客と販売店間/自動車間に双方向で発生する絆をいかに再構築するかという課題に取り組んでいる。また、構造改革プラン推進中にアプリケーションがビジネス機能ごとに異なる状況から脱却する必要性も感じ、共通の機能を一元化してビジネスの拡大に柔軟に対応できるITインフラストラクチャへ移行する方針を打ち出した。

 「オラクルは我々にとってのコモンイネーブラー(グローバル共通システム基盤)です。マツダは今、大きく変わろうとしています」とOracle Excellence Award日本部門のCIO of the Yearを獲得したマツダ(株)のITソリューション本部 大澤佳史本部長は語る。

 マツダの経営陣はITインフラストラクチャを世界規模で統合しなければ、新たなビジネス目標を達成できないと判断。また、全社共通のITプラットフォームを導入して構造改革プランを後押しするという直近の目標のみならず、ビジネスの基盤として安定したITサービスを構築するという第2の目標も視野に捉えていた。

 大澤氏曰く「大規模な改革を迅速に進めるためには、全社共通の統合型ITシステムを導入する必要がありました」。2012年、マツダはIT企業各社のソリューションを徹底的に評価した結果、全社共通のITインフラストラクチャを導入するパートナーとしてオラクルを選択。具体的には、Oracle E-Business Suite、PeopleSoft/Siebelの各CRMアプリケーション、Oracle Business Intelligence Enterprise Edition、Oracle Hyperion/Oracle WebLogicの各ソリューション、Oracle Exadata Database Machine、Oracle Database、Oracle SOA Suite、Oracle Application Development Frameworkを導入している。

 「オラクルのおかげで、全世界に向けて同じサービスや製品を提供できるようになりました。システムの安定性にも満足しています。オラクルを選んで間違いありませんでした」と大澤氏は高く評価している。オラクルのインフラストラクチャは他社のソリューションとの統合にも対応しているがゆえに、場合によっては従来のシステムを残したままでの導入を続けることができた。マツダではOracle Fusion Middlewareを使用して、まず既存のシステムと新しいソリューションを連結し、その次に従来のシステムを新しいシステムにひとつずつ入れ替えていった。

 「当社の新しいグローバル・ビジネス戦略では、オラクルの統合型ITシステムが重要なイネーブラーの役割を果たしています」と大澤氏は語る。

 新しいオラクル・ソリューション・ベースのITインフラストラクチャは、マツダと顧客の橋渡しが主な役割となる。そのため、部署やビジネス機能の垣根を越えて、どこでも同じ顧客情報(連絡先など)を閲覧できるようにしている。マツダのITチームは自動車の購入検討から実際の購入、所有体験、買い換えや2台目購入に至る顧客の購買ライフサイクル全体をフォローできる新しいシステムを提供することで、販売チームやマーケティングチームにとって欠かせないパートナーとなった。

 大澤氏は「顧客とのタッチポイントはコールセンターに始まり販社ショールーム来訪、ソーシャル・メディアなど、多岐多様に亘りますが、我々ITチームは販売やマーケティング業務に深くかかわるようになりました。なぜならITを生かして顧客との距離を縮めることがマツダの未来につながるからです」と語る。

オラクルと未来を切り開く

 オラクル・ソリューション・ベースのインフラストラクチャを導入してマツダが成功を収めた要因は、技術への積極的な投資もさることながら、コミュニケーションへの投資や新しいソリューションを理解するためにじっくりと時間をかけた点も大きく寄与する。ITソリューション本部 大澤佳史本部長は、次のような教訓が得られたと語っている。

・継続的なコミュニケーション

「パートナーであるオラクルとの緊密なコミュニケーションがプロジェクト成功のカギを握ります。オラクルの製品、マーケティング、営業の各担当者と、かなり突っ込んだ話もできるくらいの個人的な人間関係を築きました。また、オラクルとマツダの役員同士のコミュニケーションが増えるよう配慮しました」

・ビジネス・ニーズの優先順位付け

「ITチームとしてはマツダのビジネス目標を積極的にサポートする必要がありますが、リソースは限られています。そこで各領域トップとミーティングを重ねて対応するビジネス領域に優先順位を設け、各ソリューションを個々に導入していきました」

・経営陣との意思疎通

「マツダにとっては全くの新境地となるグローバルな統合型ITシステムが構築された環境がいかに重要かを経営陣に説明し、それが納得してもらえたことで、最高の達成感を得ることが出来ました」

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