Oracle Exadataによるアプリケーション統合
~業務アプリケーション統合、ITコスト削減、パフォーマンス向上は、Oracle Exadataによって成功に導かれる。~


 ビジネスの成長を成し遂げる戦略を練るとき、“統合”は必ずしも真っ先に浮かぶキーワードではないだろう。しかし、現在利用している業務アプリケーション基盤がビジネスの成長に対応しきれないとしたら、“統合”はまちがいなく考慮すべき価値があるといえるだろう。

 ハードウェアとソフトウェアを個別に増強する方法では、業務アプリケーション基盤を更新するたびに、設定、テスト、再設定、再テストといった作業の繰り返しが必要になる。ビジネス変革に即した変革が、ビジネス・テクノロジーにも必要になるのだ。その好例が、Oracle Exadata Database Machine(以下、Oracle Exadata)を基盤とした業務アプリケーションの統合だ。変革はそのメリットとして、ITのシンプル化、コスト削減、システム・パフォーマンスや可用性、信頼性向上などをもたらしてくれる。

グローバル企業の高度な変革

 Oracle ApplicationsとOracle Exadataを組み合わせ、大きな価値を引き出すことに成功した企業の1つが、プラクスエアである。

 米国コネチカット州ダンベリーに本社を置くプラクスエアは、世界50カ国で2万6,000人以上の社員を擁する北米・南米における最大の産業ガス企業である。世界でも有数の規模を誇り、フォーチュン世界トップ企業300にも名を連ねている。売上高も2005年の約75億ドルから、2011年には110億ドルへと成長した。

 プラクスエアの成長の要因は、共有サービスの利用とベストプラクティスを世界規模で展開したことにある。同社はエンタープライズ資源計画(ERP)基盤をグローバルのデータセンターのOracle Exadataのテクノロジーに支えられたJD Edwards EnterpriseOneで統一し、世界規模での標準化を図っている。

 同社は世界各地でさまざまな事業を展開しており、標準化されたJD Edwards EnterpriseOneの構成を全社で展開している。以前はマイクロソフトのテクノロジースタック上に、旧バージョンのJD Edwards EnterpriseOneを展開していたが、現在のJD Edwards EnterpriseOneは、4台のOracle Exadata上で稼動している。内訳は、本番用とディザスタリカバリ用にOracle Exadata X2-8フルラック2台、開発用にOracle Exadata X2-2ハーフラック1台、テスト用にOracle Exadata X2-2クォーターラック1台となっている。この4台のOracle Exadataが、グローバル環境全体を支えている。

 同社のCIO(最高情報責任者)、マーク・フランチオーザ氏は次のように話す。「当社は数年前からデータセンターの統合戦略を積極的に推進してきました。しかし、Oracle Exadataで稼動するJD Edwards EnterpriseOneへの移行は、確かに私たちの貴重な時間とコストを節約してくれました」。

 Oracle Exadata上へのOracle Applicationsの展開が、同社のビジネスを変えた。以前のシステムではスケールアウトやスケールアップの際、高速なスイッチング・ファブリックなど、より多くの基盤が必要なうえ、システムの拡張規模に比例して作業工数も増大した。

 「Oracle Exadataの導入によって、そうした余分な負担がなくなりました」とフランチオーザ氏は話す。

 同社ではトランザクション・システムに加え、データウェアハウスについてもOracle ExalyticsとOracle Exadataによる統合を進めている。

 「Oracle ExalyticsとOracle Exadataの基盤に、トランザクション・システムとデータウェアハウスを統合することの本質的なメリットは歴然としています。私たちが必要とするあらゆる種類の業務レポートに、リアルタイム、またはそれに近い速さでアクセスできるようになるので、生産、流通、ルート計画の各プロセスを効率よく推進できます」(フランチオーザ氏)。

積極的なデータセンター統合戦略の一環として、Oracle Exadata上で稼動するJD Edwards EnterpriseOneへと移行したことにより、時間とコストを削減できたと語る、プラクスエア CIO、マーク・フランチオーザ氏。
 
「Oracle Exadataのおかげで、私たちは業務プロセスの把握に時間を費やすことができます」

プラクスエア CIO
マーク・フランチオーザ氏

 数年前にフランチオーザ氏がプラクスエアのIT環境を調査した時点では、それぞれの国が独自のサーバーとアプリケーションを使用しており、それらをIT部門がサポートする体制であった。

 「このような状態では、ビジネスを変革したくても、それに合わせてIT環境を拡張することはできません。仮にグローバル・データセンターにすべてを移行したとしても、膨大なキャパシティの多くを遊ばせておくという結果に終わっていたでしょう」(フランチオーザ氏)。

 フランチオーザ氏によると、JD Edwards EnterpriseOneとOracle Exadataの導入が完了した時点で、約1万3,000人の社員がこのシステムを利用することになり、間接的に利用する社員も6,000~1万人に及ぶという。たとえば、同社のタンクローリーの運転手はJD Edwards EnterpriseOneを、車載コンピューターを通じて間接的に利用し、これが販売コストや輸送コストの計算のもとになる。客先の現場で運転手がタンクをスキャンすると、データがトラッキングシステムに入力され、そのままJD Edwards EnterpriseOneに送信されるのだ。「プラクスエアのほぼすべての社員が、こうしたシステムとどこかで接点をもつことになります」(フランチオーザ氏)。

 移行は段階的に進められた。最初はレガシーなIT環境の多くをオラクルの包括的なテクノロジースタックに移行しただけだった。とはいえ、同社はIT環境の移行だけに意識を向けていたわけではない。最終的な目標は“ビジネスの変革”だ。フランチオーザ氏は、「グローバルな環境に移行し、共有サービスを世界規模で導入する私たちにとって、本当の機会はビジネスの大規模な変革を実現することです。その変革が、さらなる価値をもたらしてくれるのです」と話す。

 プラクスエアは変革を進める早い段階でOracle Exadataを導入し、成功を収めた。「ここまでの進め方には、何もまちがった点はなかったと思います。現段階ではすべてがとても円滑に進んでいますから」(フランチオーザ氏)。

成長という冒険

 成長に後れを取らず対応していくことはビジネス変革プロセスにおいてきわめて肝要だが、それは、アライアンスデータのビジネスとテクノロジーにおいても重視されてきた。

 同社の財務およびIT担当バイスプレジデント、コリン・ハリソン氏は、「当社は高成長を続けるなかで、システム・キャパシティを向上させて、アプリケーションの処理要求の高まりに着実に対応していかなければなりませんでした。Oracle ApplicationsをOracle Exadataで稼動させることで、それが実現できています。オラクルの基盤は信頼性が高く、隅々までテストが済んでいるので、安定的に稼動しています」と話す。

 米国テキサス州プレーノーに本社を構えるアライアンスデータは、企業向けマーケティング・サービスを提供し、年商30億ドルを誇る企業だ。同社は、アライアンスデータ・リテール・サービス、エプシロン、ロイヤルティワンという、傘下の3社で個別に事業を進めている。3社はそれぞれが高い成長率と優れた業績を誇る、フォーチュン1,000クラスの企業で、ロイヤルティ・マーケティング・ソリューションを専門としている。3社それぞれのサービスとアライアンスデータによって、顧客企業は重要な顧客との間で、より緊密で長期的な関係を築くことができる。

 アライアンスデータのIT部門では、同社のオフィスのほか、傘下の3社合わせて北米9,000人の社員が利用する業務アプリケーションの運用を担当している。この業務アプリケーションはオラクルのソリューション群を基盤としており、PeopleSoft(財務アプリケーションと人事アプリケーション)、Oracle Hyperion Planning(予測、予算、モデル)、Oracle WebCenter(企業ポータル)、Oracle Data Warehouse、Oracle Business Intelligence(分析ソリューション)などで構成されている。

 同社では2011年、過去3年間で約23%にも及ぶ成長に対応するため、それまでのサーバーをアップグレードする選択肢をとった。同社のIT部門は、分散処理システムの組合せを含む、いくつかの選択肢を調査した。しかしながら従来型の方法では、同社のデータセンターのフットプリント(*1)は急激なペースで増加するため、オーバーヘッドが高まるとともに、初期投資も高額になることが判明した。

 そこで同社は、Oracle Exadata上でアプリケーションを稼動させることにした。IT部門はOracle ExadataでOracle Applicationsを稼動させることで、必要なハードウェアの数を劇的に削減できることがわかったからだ。しかも、柔軟性と信頼性が向上し、データセンターのフットプリントも抑制できる。同社はすぐに、PeopleSoftとOracle WebCenterをOracle Exadata上に移行した。

 ハリソン氏はこう話す。「最初のOracle Exadataを稼動させるまでの時間は、予定よりはるかに短くて済みました。購入した時点で、多くの部分のエンジニアリングと構成が事前に済んでいたからです。数週間もかかるほかのソリューションとは違い、Oracleデータベースを短期間で稼動させることができました。そして直ちに、アプリケーションのインストール作業に取りかかることができたのです」。

 最終的に同社は、7台のデータベース・サーバーを、2台のクォーターラックのOracle Exadataに統合した。1台は開発用、もう1台は本番用だ。環境の変化に気がついた社員も多い。「以前は遅延のあった処理が、はるかに高速になりました。最初の数週間で社員から驚くほどのフィードバックがありましたが、そのすべてが、いかにレスポンスが速くなったかについて触れていました」(ハリソン氏)。

 Oracle Exadataによって、右肩上がりを続ける同社の成長のさらに上をいく対応が可能になったことを、ハリソン氏は高く評価している。処理速度が向上し、複雑さが軽減され、確実な成長パスが得られたことは、Oracle Exadataへの移行で手にした、紛れもない大きなメリットだ。そのうえ、Oracle Exadataでアプリケーションを動かすことで、業務を効率化できたことも、同社にとって大きな意味がある。

 たとえば、Oracle Exadataへの移行でアップデートや新しいアプリケーションの導入にかかる時間が短くなった結果、開発者の作業効率は大幅に向上した。「Oracle Exadataでアプリケーションを動かすことで、業務コストを大幅に削減できました。以前、アップデート作業には一晩かかりましたが、今では昼休みの間に完了します」(ハリソン氏)。


Oracle ApplicationsをOracle Exadataで稼動させることによってIT能力が向上し、アプリケーションに対する要求の高まりにも対応できますと語る、アライアンスデータ 財務およびIT担当バイスプレジデント、コリン・ハリソン氏。

「Oracle Exadataでアプリケーションを実行することで、業務生産性コストを大幅に削減することができます」

アライアンスデータ 財務およびIT担当バイスプレジデント
コリン・ハリソン氏

 しかも、それだけではない。「すべての処理が高速になったことも、スケジュール面で大きなプラスとなりました。ビジネスニーズを踏まえて理にかなったスケジュール設定が可能になり、IT上の制約に左右されなくなったからです」とハリソン氏は話す。たとえば、以前の同社は一部の作業のスケジュールを決めるときに、月末の締めなどで処理量が通常のキャパシティを超える期間と重ならないように調整する必要があった。しかし、Oracle Exadata上でOracle Applicationsを稼動させている現在、システムの更新や新しいアプリケーションの運用開始も、ビジネスニーズに基づいて決めることができる。

 Oracle Exadata上でアプリケーションを動かすメリットとして、ハリソン氏が挙げる点がもう1つある。「処理が高速になっただけでなく、障害も減りました。そのおかげでトラブルシューティングの時間が少なくなり、チーム全体が対応に追われるような事象も減り、安定性が高まりました」。

 あわせて重要なことは、社内の開発者やITチームが、同社の継続的な成長を支えるための新機能の追加や、きわめてハイレベルなサービスとサポートの実現など、戦略的な目標に向けた作業に専念できることだ。

 「Oracle Exadataで稼動するアプリケーションの場合、新しいプロジェクトの検討に入る時点で、以前のシステムよりはすでに3~4週間ほど先行した位置にいます。以前は、新しいアプリケーションを動かすには新しいハードウェアが必要で、その調達、構成、配置、テストに3~4週間かかるのが普通だったからです」(ハリソン氏)。

「Oracle Exadataで稼動するアプリケーションで新しいプロジェクトを検討すると、その時点で私たちは、以前のシステムよりもすでに3~4週間ほどリードした位置にいることになります」

アライアンスデータ 財務およびIT担当バイスプレジデント
コリン・ハリソン氏

 ビジネスに変革をもたらすには、俊敏なIT基盤が欠かせない。ハードウェアとソフトウェアが一体となって動き、ビジネスを迅速に変更できるようなIT基盤である。アライアンスデータは、Oracle ApplicationsとOracle Exadataの組合せでそれを実現した。

 「Oracle ApplicationsとOracle Exadataを利用して実感した大きなメリットの1つが、このシステムはプラグ&プレイの感覚に近い(*2)ということです。オラクルのハードウェアとソフトウェアが一体となってさらなる力を発揮するようにエンジニアリングされています。とくに、PeopleSoftをはじめ、Oracle ApplicationsのさまざまなアプリケーションをOracle Exadataで稼動する効果は絶大です」(ハリソン氏)。

*1 プログラムが動作する際に使用されるメインメモリの容量
*2 コンピューターに周辺機器や拡張カードなどを接続した際、ユーザーが手動で設定作業をしなくても、機器の組み込みと設定を自動的におこなう仕組み

Oracle Exadataとクラウドの連携

 統合への第一歩を踏み出し、スケーラビリティに優れたグローバルなIT環境をOracle Exadataで構築する方法として多くの企業にふさわしいのが、Oracle Managed Cloud Servicesである。

 Oracle Managed Cloud Servicesは、アプリケーションとテクノロジーの両面にわたる包括的なエンド・ツー・エンドのサービスだ。さまざまなオラクル製品を組み合わせて事前に設定、連携、テストを済ませた、認定済みの構成が豊富に用意されている。Oracle ApplicationsやOracle Exadataなど、オラクルのテクノロジーの導入と管理がより簡単になる。

 Oracle Cloud Servicesの製品管理ディレクター、グル・シャシクマールはこう話す。

 「Oracle E-Business SuiteやPeople SoftをOracle Exadataで稼動させたいと考える企業は、Oracle Managed Cloud Servicesと連携することで、『アプリケーションからストレージまで』の包括的な管理フレームワークをクラウドや顧客のサイトに導入できます」。

 シャシクマールによると、システム統合で大事なことは構成要素を減らすことだけではない。肝心なのは、新たな可能性を広げることだという。「Oracle Managed Cloud ServicesでOracle ApplicationsやOracle Exadataを導入する究極的なメリットは、ビジネスの変革を加速し、その変革から最大限の価値を得ることにあります。そのとき、オラクルの最新のテクノロジーを早い段階で採り入れたり、コストが予測可能となったり、コストを低減できたりといったことが活きてきます。Oracle Exadataなら、レガシーシステムを統合し、レガシーインフラを合理化して、きわめて高いパフォーマンスで、エンジニアリング済みのシステムを実現できます。ハードウェアとソフトウェアが一体となって、オンライン・トランザクション処理やデータウェアハウス・アプリケーションで最高のパフォーマンスを発揮できます」。

SNAPSHOTS

プラクスエア
praxair.com

本  社:米国コネチカット州ダンベリー
業  種:産業用ガス
従業員数:2万6,000人以上
収  益:110億ドル(2011年度)
オラクルの製品とサービス:JD Edwards EnterpriseOne、Oracle Hyperion Financial Management、Oracle Hyperion Planning、Oracle E-Business Suite Process Manufacturing、Oracle Product Information Management、Oracle Business Intelligenceソリューション、Oracle Exadata、Oracleデータベース

アライアンスデータ
alliancedata.com

本  社:米国テキサス州プレーノー
業  種:ロイヤルティ・マーケティングに関するソリューション、コンサルティング、プログラム
従業員数:約9,000人
収  益:30億ドル(2011年度)
オラクルの製品とサービス:PeopleSoft財務管理/人事管理アプリケーション、Oracle E-Business Suite、Oracle Essbase、Oracle Enterprise Manager、Oracle Real Application Clusters、Oracle Exadata、Oracle WebCenter、Oracle Data Warehouse、Oracleデータベース

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