【ファイザー株式会社】短期間でPV倍増、評価No.1を獲得


短期間でPV倍増、評価No.1を獲得
顧客メリットを追求したファイザーの新Web戦略

世界をリードする医薬品メーカー、ファイザー株式会社(以下、ファイザー)。日本国内でも長きにわたり、市場に根ざした事業を展開してきた。同社では、顧客である医療従事者の個別の情報ニーズにきめ細かに対応すべく、ブランドごとに縦割りとなっていたWebサイトを集約し、会員制サイト「Pfizer for Professionals(以下、PfizerPRO)」を立ち上げた。同サイトを支えるCMS*1として選択したのが、Oracle WebCenter Sitesだ。CMSの戦略的活用により、PVや会員数の大幅増という成果を手にしたファイザー。今後も同社は、一人ひとりの関心領域に沿った情報提供を通じて医療に貢献し、さらなるビジネス効果の創出を図っていく構えだ。

ファイザー株式会社
グローバル・コマーシャル・オペレーション
マルチチャネル・マーケティンググループ
課長
渡辺 規子

ファイザー株式会社
ビジネステクノロジー
ソリューション・デリバリ課
課長
沖崎 清一

Webサイトを集約、会員制を採用し医療従事者への情報提供を拡充

 研究開発型の製薬会社として、長きにわたり業界をリードしてきたファイザー。「より健康な世界の実現のために」という理念をベースに、幅広い分野の医薬品を提供している。2013年8月に日本での創業60周年を迎えた同社は、ローカル市場との関係をさらに強化するための取組みを続けている。その代表的な施策が、デジタルチャネルを通じた医療従事者とのコミュニケーションの強化、そしてWebエクスペリエンスの最適化による顧客評価の向上である。

 「当社のMR(医薬情報担当者)が日常的に接している医療従事者の情報収集スタイルも変わりつつあり、こうした変化への対応が求められています。もっとデジタルを活用して、先生方が必要とする情報を、タイムリーに、そして効率的に届けられる仕組みをつくる。そのための施策を進めています」と語るのは、ファイザー グローバル・コマーシャル・オペレーション マルチチャネル・マーケティンググループ 課長の渡辺 規子氏である。

 多忙な医療従事者にとって、時間の合間を縫って必要な情報を効率的に取得できるWebサイトは利便性が高いチャネルだ。そのニーズに応えるためにファイザーは、2010年2月、医療従事者向けのWebサイトとして日本で「PfizerPRO」を立ち上げた。それまでブランド単位で各部門が個別に管理・運営していたサイトは、統合された会員制サイトとして再出発した。

 一方、デジタルを活用した横串の機能も強化されている。その役割を担うのが、渡辺氏の所属するマルチチャネル・マーケティンググループだ。「PfizerPROはデジタルハブという位置づけです。製薬業界の情報提供サイトを含むほかのチャネルやマーケティングツールとも連携し、さらに価値を高めていきたい」と渡辺氏。体制とデジタルチャネルの両面で、ファイザーは新機軸を強力に推進している。

 PfizerPROの立上げにあたっては、「一人ひとりにとって有益な情報を、より効率的にお届けする」というビジョンに基づき、以下の設計方針が策定された。それが、「メニューや情報配置を整理し、直感的で快適なナビゲーションになるように工夫する」「製品情報だけでなく、臨床に役立つコンテンツの充実に努める」「興味のある領域やキーワードに合った情報をユーザー一人ひとりに届ける」という3点だ。

 会員制の採用、ユーザビリティを高めるため操作性などに統一感をもたせること、コンテンツ作成・更新のコストを抑えること――。これらの条件を満たすためにファイザーが選択したのが、CMSの導入だ。

充実したレコメンド機能を評価しOracle WebCenter Sitesを選定

 CMS選定にあたっては10社に提案を依頼。最終的に選ばれたのが、Oracle WebCenter Sitesである。

 「予算内で導入できること、レコメンド機能*2が充実していること、SIパートナーであるSCSK株式会社が、ファイザーや製薬業界に関する知識や経験を有しており、Oracle WebCenter Sitesについても熟知していることがおもな選定理由です」とファイザー ビジネステクノロジー ソリューション・デリバリ課 課長の沖崎 清一氏は明かす。

 レコメンド機能の使い方として想定したのは、医師など登録会員の専門領域、および会員の関心に沿った領域のコンテンツを優先的に表示すること。現在トップページでは汎用的なコンテンツを、ログイン後は専門領域などにマッチしたコンテンツを、それぞれキービジュアルとして表示している。これはルールベースのレコメンド機能だが、Oracle WebCenter Sitesは行動履歴ベースのレコメンド機能も備えている。

 CMS導入の企画検討は2008年ごろに始まり、製品選定を経てプロジェクトがスタートしたのが2009年春。そして、2010年2月の稼動を迎えた。

 Webサイト構築の現場では課題もあったようだ。沖崎氏はこう語る。「将来にわたる運用性を考えれば、できるだけテンプレートにはめ込んだコンテンツを用意したい。しかし、当時サイトのコンテンツ量は、25サイトで6,000ページを超えていました。これらをテンプレート化しようとすると、コストが膨らみます。テンプレートを使いながらも柔軟性をもたせるという、バランスの見極めがカギでした」。

 「ユーザー一人ひとりに有益な情報を」というビジョンに沿って利便性のさらなる向上を図るため、2012年2月にはWebサイトの大幅なリニューアルを実施。「立上げ当初と比べてPVは倍増し、登録会員数も数倍に増えています。社内的な目標数値も大幅に前倒しで達成しました」。沖崎氏は一連の取組みの成果をそう振り返る。

 一方渡辺氏は、ユーザー評価の向上について次のように説明する。「医療関係者による製薬会社のWebサイト評価が、2011年第3四半期に1位と大躍進しました*3。また、『Webサービス充実企業として想起される企業』*4でもトップを獲得しています」。

 また、サイト集約によるスケールメリットも感じていると、渡辺氏はいう。「PfizerPROでは、先生方にとって有益な情報を幅広く提供しています。ブランドごとの情報発信では、予算の制約もあって、直接製品に結びつかないコンテンツはあまり作成できなかったでしょう。サイトが1つに統合されたことで、効果的な予算確保が可能になります」。

コンテンツ量は10,000ページ超に増加 3分の1のサイトでコンテンツを月次で更新

 PfizerPROは現在も、医療従事者にとってより使いやすいサイトへと進化を続けている。現在のコンテンツ量は80サイトで10,000ページ以上だが、「更新頻度は高まり、大小含め毎月3分の1のサイトでコンテンツが更新されています。以前は難しかったSEO*5についても、Oracle WebCenter Sites導入後は取り組めるようになりました」と沖崎氏は語る。

 今後のテーマについて、渡辺氏は次のように語る。

 「コンテンツ量は十分増えてきているので、さらに高品質なものを提供していきたい。そのために、アップデートの頻度を高めて最新情報の提供に努めるなど、丁寧な運用を心がけています。また、一人ひとりの先生方が必要とするコンテンツをタイムリーに提供するためには、『個』のニーズを詳細に把握する必要があります。そこで、PfizerPROで収集するデータの分析にも注力し、将来的にはコンテンツの再配置もおこないたいと考えています」。

 Oracle WebCenter Sitesをさらに活用してPfizerPROの価値を高め、いっそうのマーケティング効果、ビジネス効果の創出を目指す。両氏は各事業部門を巻き込んだ議論を重ねながら、新たなチャレンジを続けている。

*1 コンテンツ・マネジメント・システム。Webコンテンツの構成要素を体系的に管理し、必要な処理をおこなうシステム
*2 ユーザーの閲覧履歴などに応じて、適切と思われるコンテンツを届ける機能
*3 医薬品関係のマーケティング・リサーチを手がける株式会社エム・シー・アイ調べ
*4 2012年12月株式会社エム・シー・アイ発表
*5 検索エンジン最適化。検索エンジンの検索結果の上位にWebサイトが表示されるよう工夫すること

P R O F I L E

ファイザー株式会社
業  種:医療用医薬品の製造・販売・輸出入
従業員数:5,583人
売 上 高:5,242億円(2012年度)
おもな事業内容:研究開発型の製薬企業。循環器系、中枢神経系、鎮痛・抗炎症系、筋骨格系、感染症、泌尿器系、眼科系、がん、内分泌系、ワクチン、希少疾病などを含む幅広い疾患分野における医療用医薬品を提供。

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