農業ビジネスでの確かな“成長”
~エンジニアド・システムズへの投資で変革を仕掛けるランド・オーレイクス~

 米国では、2,100万人近い農業従事者が食品、および繊維製品を生産、加工、販売しており、2011年には1,360億ドル近い農産物が輸出された。ランド・オーレイクス協同組合は米国最大の生産者であり、1世紀近くにわたって米国の農業の一角を担ってきた。

 ランド・オーレイクスは酪農業者の小規模な協同組合として創設されたが、バターの生産、パッケージでの先進的なアイデアを武器に、米国の農業を象徴するほどの規模にまで成長した。同社は、Oracle Exadata Database Machine(以下、Oracle Exadata)やOracle Exalogic Elastic Cloud(以下、Oracle Exalogic)など、さまざまなテクノロジーを活用することでフォーチュン500にランキングされる企業となり、現在では140億ドルを超える年間売上げを誇る、米国第2位の規模の協同組合となった。ここ数年間、幅広い作物の種子や作物保護製品を提供するウィンフィールド・ソリューションズ(以下、ウィンフィールド)や、家畜用栄養食品を農業従事者や牧場主に提供するプリマ・アニマル・ニュートリションなどさまざまな企業を傘下に収め、事業領域を拡大している。

技術に根差したシステムを構築

ランド・オーレイクスとグループ企業は、Oracle ExadataやOracle Exalogicをはじめとするオラクルのプラットフォームは強力な統合システムであると考えている。「従来のプラットフォームと比較して、オラクルのエンジニアド・システムズは少ない投資でより多くの機能を実現できます」とランド・オーレイクス バイスプレジデント 兼CIO、マイク・マクリー氏(右)は話す。左は同社のテクノロジー・サービス・ディレクター、トニー・テイラー氏。

 酪農・農業製品大手である同社は、10年以上にわたってオラクルのERP製品であるJD Edwards EnterpriseOneを利用しており、ランド・オーレイクスはもとより、グループ企業のウィンフィールドやプリマ・アニマル・ニュートリションでもこの製品を活用している。「当社では、複数の部門で長年JD Edwards EnterpriseOneを利用してきました」とランド・オーレイクスのバイスプレジデント兼CIO、マイク・マクリー氏は説明する。「現在のように幅広くオラクル製品を利用するようになったのは4年ほど前で、当時当社は、オラクルのテクノロジー・プラットフォームとアプリケーションに大規模な投資をおこなっていました」。

 たとえば2010年には、オラクルの需要管理ソリューションDemantra Demand Managementや、輸送管理ソリューションのOracle Transportation Managementを導入。ほどなくして既存のJD Edwards EnterpriseOneと統合し、出荷・配送の業務を改善した。またウィンフィールドでは、種子ビジネスの複雑な業務に対応するために、Oracle Exadata、Oracle Exalogic、Oracle WebCenterを含むオラクルのテクノロジースタックに、さらに重きを置き始めていた。

 ランド・オーレイクスの酪農製品事業と同様、ウィンフィールドも卸販売をおこなっている。同社は、種子や農薬に関する製品・サービスを各地の協同組合員に販売。これら協同組合員が、仕入れた製品やサービスを各農業従事者へ販売する。同社はオラクルのさまざまなテクノロジーを既存の独自システムと統合し、業務の支援に活用している。これには、農業での意思決定を支援するインタラクティブなWebベースのモバイル・プラットフォームR7 Toolや、Webベースの種子受注システムConnect3も含まれる。

 購売活動に季節的なサイクルがあることが、種子販売独特の難しさだ。「種子ビジネスには、ブラックフライデーのようなタイミングがあるのです」とランド・オーレイクスのテクノロジー・サービス・ディレクター、トニー・テイラー氏は話す。「ウィンフィールドは50億ドルの売上げを誇る企業ですが、種子の販売はすべて約6週間のうちにおこなわれます」。販売が特定の期間に大きく偏っているため、オンライン発注時のスピードと効率がきわめて重要となる。このような顧客の高度な要求に対し、取引に数分もかかってしまうようでは、顧客はそのシステムを使用しなくなるだろう。

 ウィンフィールドは協同組合員を支援するEmerald Extras Equinoxというサービスで、データ検出プラットフォームのOracle Endeca Information Discoveryを使用し、協同組合員は農業市場における動きやパターンをより的確に把握できるようにしている。「たとえば、種子は1,000エーカー分を購入したが、除草剤などの農薬や微量栄養素、補助薬、種子処理剤は500エーカー分しか購入していない顧客といった情報を収集できます」とマクリー氏は述べる。

 ウィンフィールドでは、カナダの農業向けビジネスインテリジェンス(BI)・ソリューションを提供する企業GEOSYSと提携し、R7 Toolを使用して大量の画像データを収集、分析。このデータを活用し、農業従事者がより的確な意思決定をおこなえ、最終的に収穫量の増加に結びつくよう支援している。

 普段は11月に種子や関連製品を購買している農業従事者が、1月になってもまだ発注していないといった情報へのドリルダウンも可能だ。この情報を利用することで、その農業従事者が単に発注する時間がなかったのかを確かめるなど、事前対策的な働きかけがおこなえる。「ランド・オーレイクスやウィンフィールドにとって直接利益になるかどうかに関係なく、農業従事者や協同組合員を支援しています」とマクリー氏は話す。「当社の事業の目的はまさに、協働的なシステムを提供することにあり、農業従事者や協同組合員のためにこそ積極的に投資しているのです」。

JD Edwards EnterpriseOne

 ランド・オーレイクスでは、家畜飼料生産における最大手の1つ、プリマ・アニマル・ニュートリションや、農業従事者に農薬や種子を販売しているウィンフィールドのERPシステムとして、10年以上にわたってオラクルのJD Edwards EnterpriseOneを利用してきた。同社の酪農製品部門は、2006年に各事業部門が利用するシステムが統合されていないことによる問題に直面したため、12の製造工場、40の外部倉庫、23の契約製造施設を、JD Edwards EnterpriseOneとOracle Transportation Managementによる単一のインスタンスへ統合した。さらに、酪農製品部門のJD Edwards EnterpriseOneの環境を今後12~18カ月でアップグレードし、アプリケーションをOracle Exalogicに、バックエンドのOracleデータベースをOracle Exadataに移行する予定だ。

 「既存、および将来導入するオラクル製品の資産を活用すれば、将来の成長にも対応できる性能を手にできると考えています」と同社のテクノロジー・サービス・ディレクター、トニー・テイラー氏は話す。

システム再構築による“収穫”

 オラクル製品導入以前ウィンフィールドは、Webベースの旧い販売ポータルに悪戦苦闘していた。「それは当社が初めて独自に作成したアプリケーションの1つで、ウィンフィールドが顧客と対面するためのものでした」とテイラー氏は語る。「しかし、必要としていた多くの機能を備えていなかったため、受注処理にJD Edwards EnterpriseOneを活用しつつ、Oracle Database 11g Release 11.2、Oracle Exadata、Oracle Exalogic、Oracle Endeca Information Discoveryを含む、オラクルのフレームワークを利用してシステムを再構築しました」。さらに同社は、Oracle WebCenterをとおしてアクセスし、Connect3から受注処理をおこなえるフロントエンドの受注入力コンポーネントも構築した。

 テイラー氏によると、ウィンフィールド、ランド・オーレイクスの両社で拡大するオラクル製品の採用は、オラクル自身が進める統合戦略の副産物だという。「オラクルの継続的な統合戦略は、アプリケーション層だけでなくテクノロジースタックのあらゆる層を対象としているため、魅力的です」とテイラー氏は話す。「徹底的にオラクルのテクノロジースタックを活用した結果、最終的にエンジニアド・システムズの導入に至ったのです」。

 ウィンフィールドではすでにオラクル製品に投資していたが、BIテクノロジーの導入にともなう評価をおこなう際は、Oracle Exadataを含むソリューションをテストするなど、利用可能なあらゆる製品を検討した。「当初は、Oracleデータベースのインスタンスが稼動する標準的なHP-UXをバックエンドに、オラクルのBIソリューションを導入したのですが、すぐに分析やクエリがとても遅くなるという問題に直面しました」とテイラー氏は語る。「導入したBIソリューションはきわめて優れており、顧客に対してもとても有用な知見を提供できたのですが、パフォーマンスが低いために使われなくなってしまいました。評価テストをおこなった結果、Oracle ExalogicとOracle Exadataのソリューション以外では期待するような性能を得ることができませんでした」。

 ウィンフィールドではアプリケーション層をOracle Exalogicに、データベース層をOracle Exadataに搭載するかたちでオラクルのBIソリューションを稼動させた。「このソリューションを稼動させてから、3倍のユーザーを擁する規模にまで環境を拡大しましたが、システムのパフォーマンスは問題なく維持できています」とテイラー氏は語る。

 「現在では、従来の環境の約15倍も高速なトランザクション、および分析環境を実現しています」。

 マクリー、テイラー両氏はともに、現在のオラクル製品の資産を次のレベルへと進化させることに積極的だ。「Oracle Exalyticsへの投資を検討しています」とマクリー氏は話す。「基盤となるテクノロジーとしてオラクルのアプリケーション・プラットフォームを保有しているので、Oracle Exalyticsは競争力強化につながると考えています。Oracle Exalyticsはオラクルのプラットフォームに完全に統合され、最適化されており、他社のソリューションよりも高い性能を発揮できるからです」。

 Oracle ExalogicとOracle Exadataの導入によって性能は改善したが、Oracle Exalyticsを導入すればさらなる性能向上を見込めると、マクリー氏は強く確信している。さらにランド・オーレイクスでは、Oracle Exalyticsに移行することで不要になるOracle Exalogicを利用して、仮想化ソフトウェアのOracle VMを利用した仮想化環境の導入も計画している。「当社の戦略としては、Oracle Exalogicを仮想化のための環境とし、将来的にERPのためのプラットフォームに利用することを検討しています」。

 ランド・オーレイクスとそのグループ企業では、オラクルのプラットフォームは強力な統合システムでもあると考えている。「従来のプラットフォームと比較して、オラクルのエンジニアド・システムズは少ない投資でより多くの機能を実現できます」とマクリー氏は述べる。「この統合されたプラットフォームを利用すれば、統合されていないプラットフォームと比べて少ないCPU、メモリ、設置面積で、同じ処理をおこなうことができるのです」。

 マクリーとテイラーの両氏は、オラクル製品を活用することで、ウィンフィールドの未来は明るいと感じている。「ハードウェア・プラットフォームやエンジニアド・システムズから、ミドルウェアやアプリケーションに至るまで、エンド・ツー・エンドで統合を実現するオラクル製品はきわめて有用です」とテイラー氏は語る。「現在オラクルの製品を利用しているにもかかわらず、トータル・ソリューションとしての統合によるメリットを活かしていないとすれば、チャンスを逃していると思います」。

SNAPSHOTS

ランド・オーレイクス/
プリマ・アニマル・ニュートリション/
ウィンフィールド・ソリューションズ

landolakesinc.com

本  社:米国ミネソタ州アーデンヒルズ
業  種:農業
従業員数:9,000人
収  益:115億米ドル(2012年)
オラクルの製品とサービス:Oracle Database 11g Release 11.2、Oracle Real Application Clusters、Oracle Advanced Compression、Oracle Partitioning、Oracle GoldenGate、Oracle GoldenGate Veridata、Demantra Demand Management、JD Edwards EnterpriseOne、Oracle Endeca Information Discovery、Oracle Transportation Management、Oracle Enterprise Manager(10g、11g、12c)、Oracle Universal Records Management、Oracle WebCenter Imaging、Oracle WebCenter Capture、Oracle SOA Suite、Oracle WebLogic Suite、Oracle WebCenter Portal、Oracle Application Integration Architecture Foundation Pack、Oracle Data Integrator、Exadata Storage Server Software、Exalogic Elastic Cloud Software、Oracle Application Management Pack for JD Edwards EnterpriseOne、Oracle Database Lifecycle Management Pack、Oracle Diagnostics Pack、Oracle Tuning Pack、Oracle SOA Management Pack Enterprise Edition、Oracle Management Pack for WebCenter、Oracle Secure Enterprise Search、Oracle Identity and Access Management Suite、Oracle Management Pack Plus for Identity Management、Oracle Cloud Management Pack for Oracle Fusion Middleware、Oracle Business Process Management Suite

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