【パナソニック IS株式会社】基幹業務システムをOracle Exadataに集約


基幹業務システムのデータベース層をOracle Exadataに集約
処理時間の短縮化と運用管理コストの削減を実現

パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)は、Oracle Exadata Database Machine(以下、Oracle Exadata)を導入して22台のデータベース・サーバーをわずか2台に集約・統合。ITコストの削減、運用の標準化、IT全般統制を実現した。現在は、基幹業務で利用しているOracle E-Business Suite(以下、Oracle EBS)のデータベース層についても同じ手法で集約を進めている。また、社内実践により培われたノウハウをもとに、データベース・サーバー統合ソリューションの外販も開始した。

パナソニック インフォメーションシステムズ
株式会社
執行役員
ソリューションビジネス本部 副本部長
サービスビジネス本部 副本部長
大西 元

パナソニック インフォメーションシステムズ
株式会社
サービスビジネス本部 IDCサービス事業部
インフラ基盤サービスグループ
アプリ基盤担当G グループリーダー
片岡 光康

年2倍のデータ増を想定して臨んだデータベース・サーバー統合

 照明器具、電設資材、住宅用建材などを製造・販売する、パナソニック株式会社の事業カンパニー、エコソリューションズ社の情報システム基盤の運用を一手に引き受けるパナソニックIS。同社事業の概況について、データセンターサービス部門を統括する執行役員の大西 元氏は、「仕事の半分はエコソリューションズ社を中心にパナソニック本体から、残りの半分はグループ関連と一般の企業からです」と説明する。

 このようなビジネスに携わるパナソニックISは、2002年からIT基盤の統合に取り組んできた。目標は「ハード/ソフト統合によるコスト削減」「運用標準化によるコストと品質の最適化」「開発と運用の分離によるIT全般統制への対応」の3点。まずはストレージ統合から始め、サーバー、ネットワーク、バックアップ、運用監視の順に、IT基盤の集約・統合を進めてきた。

 それから9年後の2011年4月。これら統合の集大成として、ついにデータベース・サーバーの統合が始まった。

 「レスポンスタイムが悪化するのではないか、運用管理が煩雑になるのではないか、といった懸念から、アプリケーション開発チームもインフラチームもデータベース・サーバーの統合については二の足を踏んでいました」と大西氏は当時の状況を説明する。しかし、データ量とトランザクションの増加に対応しながら、事業継続性を維持、事業部門のニーズに迅速に応えられるようにするには、データベース・サーバー統合は避けては通れない取組みであった。「年2割ではなく、年2倍のデータ増を想定した、桁違いの対応が求められていました」と大西氏は振り返る。

速度、圧縮率、運用性を検証し冗長構成のデータベース基盤を構築

 導入検討に先立って、パナソニックISは「パフォーマンスの向上」と「コストの削減」の2点をデータベース・サーバー統合の目的に設定した。処理量の増大と処理の集中化による高負荷に耐えられる高性能データベース・サーバーを実現するとともに、工数やコストを削減できるIT基盤を目指したのである。

 対象の業務システムとしては、Javaを使ってスクラッチ(手作り)で開発されたものや、パッケージシステムを含む計8システムが選択された。「いずれも、物流や販売支援などの基幹系アプリケーションです」と説明するのは、導入作業を指揮した片岡 光康氏である。このうち4システムでは、アプリケーションもデータベースも、運用は各業務の担当者がおこなっていたという。

 検討開始からサービスインまでに要した期間は、およそ1年3カ月。机上での調査・検討に続き、2011年10月にはOracle Exadataを使った実機検証に取りかかった。検証ポイントとして同社が設定したのは、「索引の有無による速度差異」「並列度による速度差異」「表圧縮の効果」「Smart Flash Cacheによる速度差異」「パーティション化による速度差異」の5項目だ。複数の項目を組み合わせてテストすることにより、Javaアプリケーションの応答時間、データベースの容量や運用性を10カ月かけて調べていった。

 検証の結果は、きわめて満足できるものだった。「最良のケースでは、照会系業務で621秒かかっていた検索処理が、1~2秒に改善。Oracle Exadataならではのデータ圧縮機能*1により、データベース容量が従来の7分の1になることが確かめられました」と、片岡氏。データベース運用については、パッチ適用時の一時的なシステム停止はあり得るものの、おおむね良好と評価された。この結果を受けて、同社は2012年1月に2台目のOracle Exadataを導入。それぞれを本番機、および開発/予備機に位置づけ、Oracle Data Guard*2で常時同期させる高可用性システムとして運用することにした。

 各業務システムの切替えや移行をスムーズに進めることにも努めた。たとえば、これまでデータベース運用に携わっていた業務担当者には「データベース層で動作するアプリケーションの書換え」「本番データベースの変更権限をデータベース管理者に移譲」などへの協力を事前に依頼。最初の切替え時に実施した確認手順をテンプレートとして残し、2件目以降の移行を高品質・少工数でおこなえるようにするといった工夫も施された。

 業務システムの移行が正式に始まったのは、2012年7月のこと。半年ほどの期間をかけて、8システムのデータベース層は順次Oracle Exadataに切り替えられていった。

実システムで3~8倍の高速化 Oracle EBSのデータベース層も統合へ

 導入の目的としていた「パフォーマンスの向上」と「コストの削減」は、どちらもスムーズに実現することができた。

 まず、パフォーマンスについては、受発注システムのバッチ処理で8倍の高速化、オンライン処理で3倍の高速化を実現。施工会社と結ぶB2C型オンラインシステムも6.5倍高速になり、取引先の満足度も高いという。

 コスト削減にもっとも貢献したのは、サーバー台数の減少である。「22台あったデータベース・サーバーを2台に集約・統合した結果、ハードウェアとソフトウェアのライセンスコストを大きく引き下げることができました」と、片岡氏。運用管理工数についても、業務担当者からIT基盤選任チームに移管することによって60%圧縮することができた。

 こうした成果を踏まえてパナソニックISは、Oracle EBSベースの業務システムについても、データベース・サーバー統合をスタートさせた。すでに一部の基本的な画面と標準コンカレント処理について動作検証が完了しているほか、Oracle Advanced Supply Chain Planning*3を活用することで、5倍以上の速度向上が見込めることも確認済みだ。2013年度は、国内数拠点の業務システムでデータベース層を集約・統合し、海外を含む残り40数拠点についてのサイジングを進める計画である。

 また、この4月にはOracle Exadata X3 Database In-Memory Machineベースのデータベース・サーバー統合ソリューションを外販することも発表した。「当社が培ってきたノウハウをお客様にも使っていただけるようなビジネスを展開していく所存です」と、大西氏は抱負を語る。ITを、ビジネスを支える戦略投資に位置づける同社にとって、Oracle Exadataの導入は新規事業への確かな足がかりにもなったようだ。

*1 Exadata Hybrid Columnar Compression
*2 オラクルのデータ保護、および障害時リカバリ・ソリューション
*3 複数の製造工程、およびサプライチェーンのすべての組織を取り入れた包括的な供給・流通計画の策定を支援するオラクルの計画ツール

P R O F I L E

パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社
業  種:情報処理業
従業員数:686人(連結・2013年3月31日現在)
資本金:10億4,000万円(2013年3月31日現在)
売 上 高:351億7,800万円(連結・2013年3月期)
市  場:東証一部
おもな事業内容:パナソニック株式会社 エコソリューションズ社の情報システム基盤の管理・運営のほか、パナソニックグループ以外の企業にも情報システムにかかわるインテグレーション・サービスを提供している。

(本事例の内容は2013年5月のものです)

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