【ベリトランス株式会社】クレジットカード業界をリードする 次世代決済プラットフォームへ刷新


Oracle Exadataの採用で、クレジットカード業界をリードする 次世代決済プラットフォームへ刷新

日本におけるオンライン決済代行ビジネスのパイオニアであるベリトランス株式会社(以下、ベリトランス)は、データセンター移転を機に決済プラットフォームのデータベース基盤をOracle Exadata Database Machine(以下、Oracle Exadata)へと刷新。データ移行のソリューションとしてOracle GoldenGateを採用することで、システム停止時間を極小化しながら大規模データベース基盤の移行を完了。Oracle Exadataの超高速データ処理基盤を導入したことで、データベース運用業務の効率化、ユーザーに提供するサービス品質の大幅な向上も実現した。

ベリトランス株式会社
上級執行役員 CTO COO
技術部長
赤尾 浩平

ベリトランス株式会社
技術部
マネージャー
綿貫 恵介

ベリトランス株式会社
技術部
マネージャー
大西 貴徳

決済ビジネスの中核を担うデータベース基盤

 ベリトランスは、オンライン決済サービスやECインフラ支援サービスなど、EC業界を牽引するリーディング・カンパニーだ。とくに、同社が提供する次世代型決済システム「VeriTrans3G」は、その高度な機能もさることながら、豊富な決済メニューを低価格で一括導入できるコストパフォーマンスのよさが評価され、現在日本国内での実績をもとに、アジア各国への展開に着手し始めている。また同社は、2005年に国内初のPCI DSS*1準拠を果すなど、サービスのセキュリティ対策の面でも業界をリードしている。

 同社がこのように先進的なサービスを常に他社に先駆けて展開してきた背景には、ITへの積極的な投資があったと、ベリトランス 上級執行役員 CTO COO 技術部長 赤尾 浩平氏は語る。

 「当社のサービスの約9割はインターネット経由で提供していますから、まさに『システムありき』のビジネスモデルです。いかに優れたシステムをつくり上げて、付加価値の高いサービスを提供するか。このことが、常にビジネスの中心にあります」。

 なかでも、VeriTrans3Gのサービス基盤を担う決済プラットフォームは、同社のビジネスの根幹を支える重要なシステムだ。そのためパフォーマンスや可用性には常に万全を期してきたが、それでも数年前までいくつかの課題を抱えていたという。同社 技術部 マネージャー 綿貫 恵介氏によれば、「とくにデータベースのパフォーマンスに関しては、CPUやメモリ・リソースにあまり余裕がなく、一部の複雑な検索処理やバッチ処理に時間がかかるなど、改善の余地がありました」という。

迅速・確実なシステム移行と性能向上を前提とした選択

 折しも、10年以上にわたり決済プラットフォームを稼動させていたデータセンターが、設備老朽化のために閉鎖されることになった。このため、急遽システムを別のデータセンターに移行させなければならなくなった。この緊急事態を、同社は逆に前向きにとらえたという。「データベース基盤を刷新して処理性能やデータ容量を増強し、お客様に提供するサービスの品質を向上させるチャンスだととらえました」(赤尾氏)。

 ただし、どうしても外せない要件があった。その1つが、ダウンタイムの極小化だ。決済プラットフォームの停止は、ユーザーであるEC事業者にとってはビジネスそのものの停止に等しい。したがって、極力短いダウンタイムでシステムを移行する必要があった。

 そしてもう1つの要件が、プロジェクトを短期間で確実に完了できることだった。データセンター閉鎖までの1年半で確実にシステムを移行できなければ、サービスそのものを継続できなくなってしまう。

 これらの要件をクリアするために同社が導入したのが、オラクルのエンジニアド・システムズ製品の1つであるOracle Exadataと、データ連携/レプリケーションのための製品Oracle GoldenGateだ。

 同社が従来運用していた決済プラットフォームのデータベース基盤は、汎用UNIXサーバーとOracleデータベースによって構成されていた。これをOracle Exadataへ刷新することで、パフォーマンスの大幅な向上を図ったのだ。

 エンジニアド・システムズ製品では、あらかじめすべてのシステム要素が最適化され統合されているため、ハードウェア製品やソフトウェア製品を個別に導入してセットアップし、組合せ検証をおこなう作業も不要だ。

 同社 技術部 マネージャー 大西 貴徳氏によれば、優れた可用性も、Oracle Exadataを選定した大きな理由の1つだという。

 「これを機にシステムの安定性や可用性も高めたいと考えていました。Oracle Exadataは、オラクルのエンジニアド・システムズ製品群のなかでもとくに可用性に優れていたので、最終的に採用を決めました」。

わずか10分間のダウンタイムでの移行を実現

 このシステム移行・刷新プロジェクトには、オラクル製品のシステム・インテグレーションで豊富な実績をもち、Oracle Exadataの検証施設を社内に保有するTIS株式会社が参画した。同社の検証施設と、本番環境の両方を使ってデータ移行の検証作業を進め、事前に課題をクリアしたうえで、本番のデータ移行作業を実施。3カ月間ほどで旧データセンターのデータベース環境を、新データセンター内に設置したOracle Exadata上に無事移行することができた。

 このデータ移行において威力を発揮したのが、Oracle GoldenGateだ。一般的に用いられる、データベースのエクスポート/インポートという方法ではなく、Oracle GoldenGateを使ったOracleデータベース間のデータ同期機能を使うことで、サービス停止時間を約10分間にまで抑えることができた。「以前、通常の方式でデータ移行作業をおこなった際には、30~60分間のダウンタイムを4回に分けて挟む必要がありましたが、今回Oracle GoldenGateを採用したことで、わずか10分間の停止を2回挟むだけで済みました」(赤尾氏)。

 システム移行後のデータベース性能の向上には、目を見張るものがあるという。綿貫氏は、「30秒以上かかっている検索処理の有無をツールで監視していますが、アラートが上がる件数が以前と比較して激減しました」と、その成果を評価する。

 6時間を要していた夜間バッチが15分で完了するなど、バッチ処理に関しても大きな成果が認められた。さらには、ユーザー企業が実行するデータ検索の処理時間も大幅に短縮されたため、提供サービスの品質も向上した。

 なお同社では、PCI DSS対応のためにデータベース暗号化製品Oracle Advanced Securityを長らく利用しており、システム移行後も引き続きこれを利用しているが、Oracle Exadataはハードウェア側でデータ暗号化処理をおこなう機能を備えるため、暗号化処理に要する時間や、システムにかかる負荷も軽減された。実際のところ、「Oracle ExadataのCPU使用率を監視したところ、数%で変動しない」(赤尾氏)という。

サービス品質のさらなる向上を目指して

 このように、データベース基盤の性能向上によってさまざまなメリットを手にしたベリトランスだが、今後はOracle Exadataの運用をさらに効率化し、導入メリットを高めていきたいとしている。

 大西氏は「システムのパフォーマンスに問題が生じたとしても、データベース以外の要素に調査対象を絞り込めるので、トラブル対応作業がとても軽減されます。今後は、Oracle Exadataに備わっている運用ツール『Oracle Enterprise Manager』の利用をより高度化することで、エンジニアド・システムズ製品ならではの優れた運用性をさらに追求していきたいと考えています」と述べ、今後のOracle Exadataのさらなる活用と、それが実現するサービス品質の向上に大きな期待を寄せる。

*1 PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard/PCIデータセキュリティスタンダード):クレジットカード情報、および取引情報を保護するための、クレジット業界におけるグローバルセキュリティ基準

P R O F I L E

ベリトランス株式会社
業  種:EC事業全般
取扱高 :5,025億円(2013年6月期)
おもな事業内容:日本、インドネシアでの決済サービス事業に加え、ECインフラサービスを展開する総合決済サービスプロバイダー。決済サービス事業では、クレジットカードやコンビニ以外の取扱い決済品目の拡大や業務受託範囲の拡大を目指す。また、EC事業者のニーズが見込まれる集客支援やセキュリティ支援など、後方支援サービスの拡充も積極的に推進。国内外、オンライン・オフライン問わず、事業者がコアビジネスに集中できる環境づくりを支援している。

オラクル公認パートナーが語る導入のツボ[TIS株式会社]

早期かつ着実にミッションクリティカルなシステムの移行を完遂


TIS株式会社
ITソリューションサービス本部
エンタープライズソリューション事業部
エンタープライズソリューション第5部
エキスパート
立石 朱城

 当社はOracle Exadataの導入、およびOracle GoldenGateによるデータ移行を担当させていただきました。本プロジェクトでは「高性能かつ高品質な決済プラットフォームを短期間で構築する」こと、「移行によるサービス停止時間を極小化する」ことが大きな目標でした。

 これらをクリアするために、要件定義から設計・構築の段階では、当社におけるエンジニアド・システムズの概念検証環境「TIS Enterprise Architecture Laboratory」を活用し、Oracle Exadata特有の運用モデル(可用性の実現、バックアップ、パッチ適用など)を確立。事前に技術リスクを排除することで、早期導入を実現しました。

 移行段階では、豊富なノウハウ、スキルをもつ日本オラクルのコンサルティング・サービスと連携し、技術的な問題点を早期に解決。そのうえで、テストやリハーサルを繰り返しおこない、ミッションクリティカルなシステムの移行を完遂しました。Oracle Advanced Securityで暗号化されたデータの移行手順の確立も、今回の移行プロジェクトのポイントでした。

 プロジェクトにおけるお客様の多大なるご協力に、この場をお借りして感謝申し上げます。今回の貴重な経験を活かし、今後もお客様のビジネスに貢献するサービスの提供に努めてまいります。

(本事例の内容は2013年8月のものです)

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