【株式会社三井住友銀行】“お客さま第一主義”を支える顧客情報管理システムを3つのエンジニアド・システムズが支える

【事例】


“お客さま第一主義”を支える顧客情報管理システムを3つのエンジニアド・システムズが支える

三大メガバンクの一行、株式会社三井住友銀行(以下、三井住友銀行)は、お客さま本位のサービスをさらに向上させ、より一層の付加価値を提供していくため、複数の業務システムに機能配置されていた顧客情報を集約、一元化した新しいCRMシステムを約1年半かけて構築。顧客口座単位だけでなく、顧客単位、顧客企業グループ単位で情報を管理・分析可能な仕組みを作り上げた。そのためのIT基盤として採用されたのが、オラクルのエンジニアド・システムズ3製品、Oracle Exadata Database Machine(以下、Oracle Exadata)、Oracle Exalytics In-Memory Machine(以下、Oracle Exalytics)、Oracle Exalogic Elastic Cloud(以下、Oracle Exalogic)だ。

顧客口座単位の顧客情報管理から顧客単位、顧客グループ企業単位の管理への転換

 日本における三大メガバンクの一行、三井住友銀行は、旧・さくら銀行と旧・住友銀行の合併によって、2001年4月に誕生した。2014年3月現在の本支店数は、国内外合わせて455。2万人以上の従業員が、総資産135兆9,664億円の金融ビジネスを国内外で展開している。


株式会社三井住友銀行
システム統括部 情報活用推進室
情報活用グループ グループ長
宮内 恒

 「銀行業にとって、お客さまの情報は業務を進めるうえで欠くことのできないもの。それを整備し、いつでも使える状態にしておくことがビジネスの根幹です」と語るのは、株式会社三井住友銀行 システム統括部 情報活用推進室 情報活用グループ グループ長 宮内 恒氏だ。

 銀行システムは、幾度かのオンライン化の時代を経てデジタル情報化し、勘定系、決済系、市場系などの基幹系システムの情報が情報系システムへと蓄積されてきた。

 「ただ、基幹系システムが管理するお客さまの情報は、口座単位の“アカウント”で管理するのが基本でした」と、宮内氏。そのため、個人または法人の“顧客”を管理単位とする顧客関係管理(CRM)の重要性が広く認識されるようになった現在でも、銀行業の顧客情報管理はアカウント主義の色彩が濃いという。

 「お客さまの情報管理の単位をアカウントからお客さま単位に変え、お客さまのグループ企業や、お客さま同士のつながりを、商品・サービスの付加価値増大や当行のビジネス機会拡大に結びつけていくことの重要性は、かねてより認識されていましたが、これまで蓄積されてきた情報は膨大ですから、明日からというわけにはいきません」(宮内氏)。

エンジニアド・システムズのフルスタックでシステムを構築

 2011年4月顧客情報の管理単位を抜本的に見直す部門横断的な取り組みを開始、業務部門とシステム部門が一丸となって全行的な視野で課題の洗い出しと対応方針の策定をおこなったが、その取り組みの中核をなしたのが、「膨大なお客さまの情報を“アカウント”単位から“お客さま”単位へ管理体系を見直し、蓄積することで、必要情報をすぐに取り出して業務に活用できるようにすること」であった。集約、一元化した主要な顧客情報は、顧客の業種や財務状況などの属性情報、日々発生する取引情報、顧客との折衝記録などの営業活動情報だ。


株式会社三井住友銀行
システム統括部 情報活用推進室
情報統括グループ 上席室長代理
髙橋 大輔

 「対象となる情報の総量は、初期導入時点で約50億件、5年後には200億件を超える規模に達すると見込まれました」と語るのは、同行 システム統括部 情報活用推進室 情報統括グループ 上席室長代理 髙橋 大輔氏だ。「別々の業務システムのデータベースに格納されているデータを整理して1カ所に集め、新たな業務要件に対し即座にお客さまの情報を還元できる仕組みを構築することがミッションでした」と振り返る。

 CRMシステムの企画がスタートしたのは、2011年4月のこと。データベースとデータウェアハウス(DWH)のためのプラットフォーム、それらを利用して情報を取り出すためのビジネス・インテリジェンス(BI)システムと、営業活動の記録を登録、参照するためのWebアプリケーションを構築する方針を定めた。

 データベースとDWHに対して三井住友銀行が設定した要件は、オンライン・トランザクション処理(OLTP)と、大量データに対するバッチ処理やオンライン集計処理(DWH)を並行処理できること。その理由を、髙橋氏は「“DWHのデータは日次で更新する”という考えはすでに陳腐化している。これからの情報系システムに求められるのは、オンライン入力されたデータが膨大に蓄積されたデータとともに情報還元され、現場の業務に即座に活用できることだ」と説明する。

 この要件に基づいて製品選定を進めた結果、エンジニアド・システムズであるOracle ExadataをデータベースとDWHのプラットフォームに、Oracle ExalyticsをBIシステムに採用することが、2012年1月に決まった。「以前、別のプロジェクトでDWH製品の提案検証(PoC)を実施したところ、オラクルの製品が高速であるだけでなく、データの暗号化、高圧縮、リソース制御等、実用レベルに達している機能が豊富だった」(髙橋氏)という結果も参考にしたという。さらに、Webアプリケーション用のサーバーとしては、エンジニアド・システムズならではの親和性を評価してOracle Exalogicの採用を2012年8月に決定。3台のエンジニアド・システムズ製品は順次、同行のデータセンターに搬入されていった。

約1年のシステム構築期間を経てシステムの本稼動を順次開始

 エンジニアド・システムズの設定と既存データベースからのデータ移行が完了して、CRMシステム用のプラットフォームが動き始めたのは、2012年10月のこと。約50億件に及ぶ初期データを整備、顧客情報を還元するBIシステムが2013年1月、営業活動記録を管理するWebアプリケーションシステムが2013年11月に本稼動を開始した。

 本プラットフォーム上では複数のシステムが稼動しており、エンドユーザーは、Webベースのポータル画面から利用したい機能を選択する仕組みだ。顧客情報と関連性の高い情報系システムとして、地図情報システム、登記情報管理システムなども、同時並行で構築、稼動を開始している。

 約1年半に及ぶシステム構築作業がカットオーバーを迎えた裏には、エンドユーザーを含めた関係者の尽力があった。「営業店、本部、役員とさまざまな目線で画面の評価をお願いしたのですが、お客さまの情報を還元するBI画面に対する要求レベルは、予想を超える高さでした。柔軟な開発ツールであるBIの特徴を最大限に活かし、カットオーバー直前まで還元する情報、画面レイアウト、操作性に手を入れては評価をおこなうというサイクルを繰り返すことで、高い評価を得られるシステムを構築できました」(髙橋氏)。


株式会社三井住友銀行
システム統括部 情報活用推進室
情報活用グループ 室長代理
飯塚 貴

 同行のシステム統括部 情報活用推進室 情報活用グループ 室長代理、飯塚 貴氏は、「情報を集約、一元化したことで、より厳格な情報アクセスコントロールが必須要件となりました。画面パフォーマンスを維持しつつ、組織、職責、などに応じて参照可能なレコード、項目を細かく制御することに苦労しましたが、実装面の工夫と高性能なデータベースのパワーで要件を満たすことができました」と振り返る。

 プラットフォームの構築を担当した、株式会社日本総合研究所(以下、日本総研) 第一開発部門 国内システム開発第二部 部長 中川 直樹氏も「桁違いのデータ量を扱いながら、十分な安定性を確保する必要がありました。また、エンジニアド・システムズは初めて導入する製品ということもあり、米国のオラクル・コーポレーションも交えた強固な支援体制を用意してもらいました。そうした支援とエンジニアド・システムズならではの高い生産性と品質がなければ、稼動までにもっと時間が必要だったでしょう」と語る。

 「エンジニアド・システムズは、これまでにない垂直統合型システムであるため、システム構成の自由度や運用方法など懸念事項もありましたが、日本オラクル、関係パートナーや運用部署の協力のもと、従来以上に信頼できる保守体制を構築できたと考えています。今後も高度化し続ける三井住友銀行のニーズに応えるための切り札として、エンジニアド・システムズに期待しています」と話すのは、同社 第一開発部門 基盤システム開発第二部チーム長の秋吉 郁郎氏だ。


株式会社日本総合研究所
第一開発部門
国内システム開発第二部 部長
中川 直樹

株式会社日本総合研究所
第一開発部門
基盤システム開発第二部 チーム長
秋吉 郁郎

現場からの高い評価だけでなく経営層からも期待が寄せられる

 稼動を始めたCRMシステムは、訪問先企業についての情報をまとめた準備資料を作成したり、営業活動の記録を各営業店、本部の営業担当者が共有したりするためのビジネスツールとして使われている。利用する機能によって異なるものの、約50億レコードという件数に対して、そのレスポンスタイムは短い(大企業の顧客単位の取引検索にかかる画面応答時間が数秒)というのが宮内氏の印象だ。

 「経営会議に報告したところ、『これで道具はできた。あとはどう使うかだ』とのコメントがありました。それだけ高い評価、大きな期待が寄せられているのだと思います」と宮内氏。現場のユーザーからは、「集計や分析の数値がグラフで表示されるので、その意味するところが素早く読み取れる」「複数のシステムから情報を収集しなくてもお客さまの情報を的確に把握できるようになった」といった声が寄せられているという。

 この成果をさらに拡大すべく、2014年4月にCRMシステムの顧客セグメントを個人富裕層顧客に広げ、法人顧客については海外支店への展開に向けて開発中だ。また、手数料ビジネスの拡大を目指し、商流分析のさらなる高度化にも取り組んでいる。そのために欠かせないのが、入出金、送金、貿易などのトランザクションを大量に蓄積するためのプラットフォーム。ビッグデータ処理に強いエンジニアド・システムズは、こうした目的にも対応が可能だ。

 「銀行業には、世の中の変化に合わせて変わらなければならないところと、安心・安定を提供するために変わってはいけないところの両面があると考えています。ただ、変わるためには、踏み台や梃子となる何かが必要です。今回導入した3つのエンジニアド・システムズ製品による仕組みによって、従来の制約を乗り越えた斬新な企画が可能になりました。そうしたチャレンジができたことも、日本オラクルやプロジェクト・メンバーのおかげだと感謝しています」(宮内氏)。

P R O F I L E

株式会社三井住友銀行
業  種:銀行業
従業員数:22,915人(2014年3月31日現在)
資本金 :17,709億円(2014年3月31日現在)
総資産 :135兆9,664億円(2014年3月31日現在)
おもな事業内容:三大メガバンクの一行として、預金、貸出、商品有価証券売買、有価証券投資、内国/外国為替、社債受託/登録、金融先物取引受託、証券投資信託窓口販売などの金融ビジネスを展開。関係会社を通じて、与信、証券、投融資、投資顧問、情報処理、情報提供などの業務にも携わる。

(本事例の内容は2014年5月のものです)

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